住宅ローン減税は,持ち家促進のためにできた国の制度です。
正式な名称は住宅借入金等特別控除です。
ローン残高の1%を源泉徴収された所得税を取り戻すことができます。所得税で控除しきれなかったら,翌年の住民税から控除されます。
実は,もう一つ減税制度があります。
それは知らなかったです。
それは,特定増改築等住宅借入金等特別控除(リフォーム減税)です。
この記事ではリフォーム減税の概要とそれを利用した省エネ設備取得の方法をご説明します。住宅ローン減税に比べて,少し複雑になっていますが順次説明していきます。
住宅リフォーム支援制度
リフォーム減税の種類は3つ
特定の要件を満たすリフォームを行った場合,確定申告を行うことで所得税の控除を受けることができます。
所得税の控除には,①投資型減税,②ローン型減税,③住宅ローン減税と3種類あります。
投資型減税はリフォームローンの有無に関わらず,控除期間は1年です。
工事代金の10%が控除されます。
最大は,工事の種類で違ってきます。
太陽光発電システムと合わせて設置する場合は,増額されます。
ローン型減税は5年以上のリフォームローンを対象で,控除期間は5年です。
工事代金の2%+年末ローン残高の1%が控除されます。
住宅ローン減税は,10年以上のローンを利用対象で,控除期間は13年です。
※通常の住宅ローン減税と同じです。
減税制度 | 控除期間と控除率 | 条件 |
---|---|---|
①投資型減税 | 1年 (10%) | ローンの有無によらない |
②ローン型減税 | 5年 (2%) | 5年以上リフォームのローン |
③住宅ローン減税 | 10年 (1%) | 10年以上のリフォームローン |
①が一番単年での所得税の戻りが多くなってきます。
自分の年収に照らし合わせて還付金が最も多くなるパターンを選択してください。
税込みの年収が600万円を超える人は,所得税を年間20万円以上支払うので,①投資型がおすすめです。
特定リフォームとは
特定リフォームとは全部で5種類あります。
①耐震リフォーム,②バリアフリーリフォーム,③省エネリフォーム,④同居対応リフォーム,⑤長期優良住宅化リフォーム
です。
詳しくはリフォーム支援制度を参考にしてください。
本日は,省エネリフォームについて詳しく説明します。
省エネリフォームとは
省エネリフォームの概要
まずは,改修工事の種類です。
①窓の断熱工事
②床,天井,壁の断熱工事
③太陽光発電設置工事
④エアコン,給湯器等設置工事
①の工事は必須です。
家の断熱はやはり窓です。窓が一番外気と接するので,省エネといえば窓です。
私は,アルミサッシ,樹脂サッシ両方の家での生活を経験しています。
樹脂サッシの快適性は抜群です。熱伝導性はアルミの1/1000です。
⇒光熱費削減に大きく貢献できます。
①に加えて,③の太陽光発電システムの工事を行う場合は,最大控除枠が10万円増えて,35万円になります。
太陽光パネルを屋根に乗せると夏は太陽光の熱を吸収してくれて,冬は寒さから守ってくれます。太陽光パネルを載せること自体に一定の断熱効果が期待できます‼︎
④は給湯器をガス給湯器からエコキュートに交換すれば,光熱費を大きく減らすことができます。
さらに,固定資産税の減税制度もあります。
市区町村に届け出ることで,翌年の固定資産税を1/3軽減させることができます!!
減税効果を試算します
控除額は国土交通省が定めるリフォームの種類別の標準工事費相当額に基づいて起算されます。
エコキュートは411,200円。
内窓は8,000円/㎡。
太陽光発電は735,000円/kw。
100㎡の住宅で全室内窓とエコキュート設置と太陽光を3kw設置した場合。
建物評価額は600万円と仮定。
8,000×100 + 411,200 + 735,000×3 = 3,416,200円
太陽光発電システムは現在の相場よりも高く工事費が設定されているので,リフォームをする際に太陽光を設置すればすぐに,350万円の工事となります。
⇒最大控除の枠35万円を引き出すことができます。
固定資産税は
6,000,000 × 1.4% × 1/3 = 28,000円
固定資産税を軽減させることができます!!
家に10年以上住み続けているとどうしても必要となるリフォーム。
お風呂屋,トイレ,キッチン等の水回りも20年で交換の目安となります。
住宅リフォーム制度を活用してお得にリフォームを実施してほしいです。
住宅ローンの借り換えと合算させる
まずはリフォームローンについてです。
リフォームローン
リフォームローンは審査が厳しくない反面,金利が高く,借入年数が短いです。
その結果月々の支払いが高くなってしまいます。金利は2%以上,期間は20年以内の商品が多いです。
住宅ローンと合算
住宅ローンの残債がある方は,住宅ローンの借り換えと合算して住宅ローンを組み直すことをおすすめします。
銀行によっては,諸費用,教育ローン,自動車ローンと合算できます。
諸費用を500万円まで組み込める商品もありました!!(JAやろうきん等)
借入も最長で40年の銀行まで出てきました!!(地方銀行等)
リフォームを検討している世帯はきっとローン残債も減ってきているので,無担保の住宅ローンもあります。
太陽光発電システムを導入する場合は,電気代削減も含めたら家計のキャッシュ・フローは大きく改善します!!
住宅ローンを利用するメリット
住宅ローンは長期間で低金利で借りられます。おまけに万団信等の保険効果も期待できます。
住宅ローンは借り入れの中で最も優れた商品なので,上手に活用してほしいのです(^^♪
脱炭素社会の実現に向けて,1世帯でも多くの家庭が太陽光発電システムを導入してほしいと思います。
そのために私もみなさんに読んでいただける記事を提供しつづけたいです。
株,不動産,節税など暮らしに役立つことが掲載されています。