令和4年(2022年)4月1日から,再エネ賦課金の値上げのニュースが入ってきた。
1 kWh当り,なんと3.45円。高すぎます!!
家庭で年間5,000kWh以上の電気を使用すると,5,000×3.45=17,250円です。
電気の賦課金だけで,軽自動車税よりも高いです。
電気料金の仕組みは,以前のブログで紹介しています。合わせて読んでみてください。
ウクライナ情勢も相まって,日本のエネルギー自給率の向上が急務です。
エネルギーが高いと,工場,物流,食品すべての値上げに関わってきます。
この記事では,最近の電力の関するトピックと太陽光や蓄電池導入の必要性を考えます。
再エネ賦課金の値上げ
再生可能エネルギー発電促進賦課金 ( 再エネ賦課金 ) のきっかけは2011年3月11日の東日本大震災です。このとき日本全国の原子力発電所の稼働がストップしました。
原子力に頼らないクリーンなエネルギーとして同年7月に固定価格買取制度(FIT制度)が始まりました。
再エネ賦課金は再生可能エネルギーの普及・拡大に必要な費用を全国民から広く徴収しようとできた負担金です。
固定価格買取制度当初は電気を48円/kWhのプレミア価格で電力会社が買い取っていたために,損失を補填するために再エネ賦課金が使用されています。
この再エネ賦課金の推移を表すと,
年度 | 賦課金 |
---|---|
2011年度 | 0.03円 |
2012年度 | 0.28円 |
2013年度 | 0.4円 |
2014年度 | 0.8円 |
2015年度 | 1.58円 |
2016年度 | 2.25円 |
2017年度 | 2.64円 |
2018年度 | 2.9円 |
2019年度 | 2.95円 |
2020年度 | 2.98円 |
2021年度 | 3.36円 |
2022年度 | 3.45円 |
当初は3円を超えることはないと聞いていたのに,上昇の一途をたどっています。
実は再エネ賦課金という言葉を知っている日本人は少ないそうです。あまり公に発表しないし,少しづつ値上がりして気付かないようにしているのか。
売電単価が下がっているのに,果たして再エネ賦課金は適正に使用されているのでしょうか??
ちなみに電気を作るのにもロシアからLNGの輸入に頼っています。
東京電力では,電力ひっ迫注意報が頻繁に発令されています。
世界情勢が 不安定なので,燃料調整費も値上げ予定です。
2022年10月では,kwあたり15円を超えてきました。
月に500kWh使用すると仮定すれば,なんと7,500円です。
衝撃的に高いです涙
電力小売り事業者(新電力)の撤退
2016年4月~電力の小売りが完全に自由化されました。
通信会社,ガス会社,石油会社などさまざまな事業者が電力小売りに参入しました。
ところが,事業の見通しが立たないという理由で近年は小売り事業を徹底する動きをよく目にします。
さまざまな理由はありますが,送配電事業者としてのプライドはないのでしょうか。
ウエストHD
ウエストHD(1407)は,売り上げの4割を占める電力小売りから撤退だそうです。
広島県の大きな会社であっただけに,残念です。
「ウエスト電力」として市場よりも高く買い取る話でしたが。。
直前まで考えて,発電所を契約しなくてよかったです。
エルピオでんき
新電力で知名度の高かった,エルピオでんきも2022年4月30日に事業停止です。
理由は液化天然ガスの仕入れのめどがたたないそうです。
あと1ヶ月で切り替えないと,家の電気が通らない!?ことになるのでしょうか。
ウクライナ情勢がインフラである電気供給にまで暗い影を落とします。
日本で14万世帯もあるそうです。
14万世帯でしたら,広島県の福山市,呉市などの中核都市に相当します。
エネチェンジで電気の切り替えをするとアマゾンギフト券をもらえるそうです。
対象の世帯は早めの切り替えをおすすめします。
北陸電力への切り替え停止(法人)
燃料高騰を理由に北陸エリアの法人が新電力から北陸電力に切り替える申し込みが殺到しました。北陸エリアの企業から北陸電力の切り替えの受付を停止しました。
新電力の切り替えが進む中,改めて大手電力会社の大切さがわかりました。
これからは電気は買うよりも,売るほうが強く,近い将来電気が買えなくなるのではと危惧しています。
はい,本気で思いっています!!
熊本電力
九州地方では,FIT期間が終了すると7円でしか買い取ってもらえません。
熊本電力では,自社の電力と契約すると10円以上で余剰電力を買い取ってもらえるそうです。
最近のネットニュースで熊本電力から電気の請求がこないそうです。
今後はどうなるのでしょう。
熊本電力倒産近い!?新規受付停止+電力供給契約解除(送電停止)+契約者に移管手続き伺い | しゅふでん|北海道札幌電気代比較ラボ (wsyufu.com)
PPA事業者の撤退
売電単価も下がり,半導体不足で太陽光パネルの価格も上昇しています。
通称「屋根貸」の第三者所有モデルの事業存続も危なくなってしましました。私の妻のメーカも1月に事業の撤退をしました。
存続しているQセルズも設備費用を売電収入で回収することが難しく譲渡期間が長くなる見込みです。
これからは太陽光の付いている住宅の価値はますます上昇すると思います。
これから太陽光+蓄電池(創蓄)
今回の一連の出来事で,改めて地域にある大手電力会社の大切さを痛感しました。
電気のある生活は当たり前でないこと気づきました。
安さやポイントを求めて,安易に新電力に乗り換えるのではなく,その電気がどのように作られているか,また自社の発電所を保有しているかしっかりと見定める必要があります。
私は,なんとなく危ないかも!?という新電力を見抜くポイントが分かってきたように思います。
一番,環境にも良くて,安全なのは自分の電気は自分で賄う。
つまり太陽光と蓄電池を設置することです。
蓄電池は元が取れないから,導入を見送る人が多いです。
各メーカーも低価格で提供できるように日々努力しています。
政府や自治体も補助金を出して導入を後押ししています。
年度 | 余剰売電単価 |
---|---|
2020年度 | 21円 |
2021年度 | 19円 |
2022年度 | 17円 |
2023年度 | 16円 |
近年の余剰買取は売るよりも自家消費するほうがお得です。
珍しく2~3年後の買取単価も発表しています。
今後はFIT制度も自家消費30%を目標にして,下回った場合が売電債権はく奪の可能性もあるそうです。
1世帯でも多くの世帯が蓄電池を付けることで,日本の電力は安定します。
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