今回は年金制度のお話をします。
毎年,夏ごろに「年金払い退職給付の給付算定基礎額残高通知書」が自宅に送られてきます。言葉にするとかなり長くて噛んでしまいました(笑)
年金払い退職給付の概要
年金払い退職給付は最近になってできた制度です。
始まりの歴史
平成27年10月に不公平感の解消から会社員が加入する厚生年金と公務員が加入する共済年金が統一されました。(年金制度の一元化)
それと同時に公務員と私学共済の年金の3階建て部分の「職域加算」も廃止されました。
職域加算は通常の共済年金に加えて,公務員に支給される恩給のようなものです。
職域加算が廃止されて,新たに年金払い退職給付の制度ができました。
これまでの3階部分を補完する役目があります。
おそらく,公務員や社会保険について勉強されている方以外はあまり聞きなじみないことばですね。
月々の掛け金は
1年に1回紙媒体で通知書が送られてきます。
掛け金は標準報酬月額の 0.75 %です。
例えば,標準報酬月額が 400,000の場合は,月々3,000円です。
さらに,お得なのは通常の厚生年金と同じく労使が 1/2 ずつ折半です。
つまり,使用者側も 3,000円拠出するので,月々 6,000円 貯まります。
賞与(ボーナス)の際も,0.75 %天引きされます。
これに加えて運用時の利息 (1.5%)を加算して,毎年積み立てられます。
毎年,送られてくる「ねんきん定期便」には乗らないのでちょっとしたおこづかいになりますね。
受け取り方法は
受給権の発生は 65 才です。
受け取り方法は有期年金と終身年金の2通りがあります。
有期年金は,退職時に半分を 一時金,半分を年金(10年または20年)で受け取ることができます。
終身年金は,月々の受取額は少ないが終身で受け取ることができます。
平均寿命が長くなったとはいえ,私の場合は半分は一時金で半分は10年分割で受け取ることを選択したいです。
(※組合期間が10年未満の場合は,積立額の1/4になるので公務員として務めるなら長いほうがいいですね。)
ここまでの内容を簡単にまとめます。
☑ いわゆる共済年金の3階部分を補完
☑ 掛け金は労使折半(0.75%)
☑ 受給権は 65 才
☑ 受け取りは有期年金か終身年金
年金払い退職給付を試算
生涯年収
さまざまなデータを見ると,地方公務員の生涯年収を 約2.7 億円と推定されます。
ここで,このうち年金払い退職給付を1.5% なので
27,000 万円× 1.5(%) = 405 万円
これに利息も加味されるので,もっと多くなるかもしれません。
有期年金の場合
ざっくりと,400万円の残高があるとします。
有期年金の場合は,一時金で 200万円で受け取ることができます。
それに加えて,残りの200万円は 10年で受けとると,年間で 20万円も厚生年金に上乗せされて受け取ることができます。
公務員は夫婦とも公務員というパターンが多いです。2人合わせて,800万円もあります。これに加えて退職金もあります。
職場は多忙であったり,人間関係等のストレスも少なくないですが,長く勤めれば務めるほど有利になります。
副業についてもいろいろと制限がとあります。
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老後2,000万円問題の解決策の一つは,会社員であれ公務員であれ長く務めることかもしれません。
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