税金が上がっている,手取りが減っているとか,「節税ができる」とかいろいろな情報がとびかっています。
「節税」とは,支払う税金を安くすることですね。
では,どんな税金を安くすることですか??
この記事ではサラリーマン,公務員が支払う税金,社会保険料の仕組みと節税について詳しく解説していきます。
✅ 税金と社会保険料の種類と仕組み
✅ 節税方法
✅ 手取りアップの方法
給与から差し引かれる税金等
まずは,給与から差し引かれる項目を考えます。
社会保険料
まずは,月収から社会保険料が差し引かれます。一般的に節税と言われる,所得税は最後です。
差し引かれる社会保険料の根拠は,「標準報酬月額(標月)」です。
社会保険料の項目は,公的医療保険,厚生年金,雇用保険,介護保険等です。
我々は社会保険料を収入に応じて,負担をしています。この負担率は年々上昇していて,およそ月収の15%程度も徴収されます。
✅ 医療保険
✅ 厚生年金
✅ 雇用保険
✅ 介護保険 等
少子高齢化に伴い,支える人が少なくなっているので,値上がりは仕方ないですね。
所得税,住民税
給与から給与所得控除,各種控除,社会保険料を差し引いた後(課税所得)に,所得税が計算されます。
課税所得とは,所得税や住民税が課せられる所得です。税金を課せられる所得と覚えておくといいですね。
(課税所得)=(給与所得)ー(社会保険料)ー(各種控除)
とても難しい言葉がたくさん出てきましたが,ここまでお読み頂きありがとうございます。
まとめ
手取りを少しでも多くするには,税金の仕組みの理解が大切です。
標準報酬月額の下げる方法
標準報酬月額は会社から支払われるあらゆる報酬が含まれます。ここでは,標準報酬月額を減らす方法について考えます。
4月~6月は残業を調整する
標準報酬月額は4月~6月の3か月間の報酬の平均値が算出され,7月に定時決定されます。年度初めに残業しすぎると,標準報酬月額が上がり,向こう1年間社会保険料負担が増大します。
職場に近くに住む
サラリーマンの中には,自宅と職場が片道50km 以上離れたり,新幹線通勤をしている人もいます。会社から月に10万円以上も通勤手当をもらいます。
ここでひとつ見落としがちなことをお伝えします。
通勤手当は所得税法上は非課税枠があります。
しかし,通勤手当は標準報酬月額に合算されます。
わざわざ遠方から通っているのに,通勤手当で標準報酬月額が大幅に上がるのはさけたいですね。
それぞれ家族や状況が異なりますが,手取りを多くするためのポイントを申し上げます。
住居手当のもらい方
住居手当の支給のあるサラリーマンも少なからずいると思います。
住居手当も標準報酬月額の対象です。
理想は個人が家を借りて住宅手当をもらうのではなく,会社が社宅等を借りて給与から天引きされる方法にすると,標準報酬月額を下げることができます。
住宅を購入する
5年以上同じ場所で働けるのであれば,住宅購入をおすすめします。
住宅ローンほど長期かつ低金利で借りられる最高の商品です。サラリーマンであれば,非常にローンが通りやすいです。
地方に行けば,1000万円以下で良質な家がたくさんあります。住宅ローン控除も受けられます!!
転勤が決まれば,家を売ったり,貸したりさまざまな選択肢があります。
買った値段よりも高く売却できるという話はよく聞きます。
5年間住んで家賃+売却益でかなり資産形成ができる可能性があります。
標準報酬月の下げ方
ここまで紹介した標準報酬月額を下げる方法4選をまとめます。
✅ 4月~6月の残業を調整する
✅ 職場の近くに住む
✅ 住居は会社から給与天引き
✅ 安い住宅を購入する
サラリーマンに効果的な節税5選
最後にサラリーマンに効果的な節税5選を紹介します。
1.生命保険料控除の活用
生命保険料控除は全部で3種類あります。それぞれ,所得税は4万円,住民税は2.8万円です。
所得税控除 | 住民税控除 | |
一般生命保険料控除 | 4万円 | 2.8万円 |
介護医療生命保険料控除 | 4万円 | 2.8万円 |
個人年金生命保険料控除 | 4万円 | 2.8万円 |
限度額合計 | 12万円 | ※7万円 |
※住民税控除の上限は総和8.4万円でなく,7万円なので注意してください。
生命保険は自分のライフスタイルに沿うことが大切です。
節税の観点から申し上げると,理想の保険料は月に3,000円~5,000円。合計で約1万円です。
そうすれば,所得税は10万円,住民税は7万円の控除が可能です!!
保険はFPの資格を持ったプロに相談するのがおすすめです。大人気のリクルートが運営する【保険チャンネル】をご紹介します。
2.ideco ( 確定拠出年金 ) の活用
iDeCoは公的年金に加えて,老後の生活資金を確保するために始まった制度です。掛け金の限度額は,サラリーマン,公務員,自営業などで異なります。
支払った掛け金がすべて所得控除の対象になります。
また,運用益は非課税です。
受け取るときも,一括のときは退職所得控除が使用できます。
✅ 退職所得=(収入ー退職所得控除)×1/2
続いて退職所得控除の計算式は以下の通りです。
退職所得控除
✅ 勤続20年以下 40万円×年数
✅ 勤続20年以上 800万円+70万円×(勤続ー20年)
要約すると,勤続20年間は40万円,20年以上は70万円ずつ退職所得控除が増えていくイメージです。
年金で受け取るときも,公的年金控除が受けられます。
ただし公的年金と合算した収入になるので,一括で受け取るほうがお得な気がします。
また,一度積み立てたら解約しにくいし,60歳まで資金が拘束されるので,余裕資金で運用したほうがいいです。
3.ふるさと納税
ふるさと納税を最近よく耳にするようになりました。実際に,ふるさと納税をしている人は2割程度です。
ふるさと納税は本来は自分の住む自治体に支払う税金の一部を応援したい自治体に納税します。
寄付金控除を使用して,自己負担は2,000円です。
その見返りとして,返礼品を頂くことができます。
返礼品は納税額の3割程度とするように総務省から通知が出ています。
30,000円の寄付をすれば,1万円前後の返礼品が受けられます。
ポイントサイトにふるさと納税のページがあったり,キャンペーンが充実しています。
4.住宅ローン控除
住宅ローン控除は最も節税効果が高いです。
他の控除とは節税効果の次元が異なります!!
住宅ローンの金利は0.3~0.5%なのに,住宅ローン減税は年末ローン残高の1%戻ります。それが,10年間も続きます。
ただし,住宅ローン減税は制度変更が多いので,詳細は国税庁のHP をみてください。
5.青色申告
ここからは,上級者向けです。個人事業主となり,青色申告を使って,65万円の控除を受けることができます。
副業解禁の世の中なので,サラリーマン件+個人事業主の組み合わせは増えてきています。
サラリーマンでも,物販,不動産,太陽光,ブログ,コンサルなどさまざまなことが挑戦できるようになりました。
サラリーマン節税まとめ
最後にサラリーマンが活用できるおすすめの節税5選をまとめます。
✅ 生命保険料控除
所得税は12万円,住民税は7万円控除
✅ ideco
掛け金は全額控除
✅ ふるさと納税
寄付金控除で自己負担は2,000円
✅ 住宅ローン控除
ローン残高の1%控除
✅ 青色申告(開業)
青色申告特別控除55万円
ここからは個人事業主になるメリットをお伝えします。
個人事業主のメリット
個人事業主には税制上さまざまなメリットがあります。
経費計上
サラリーマンは給与所得です。すでにみなし経費で「給与所得控除」で給与から自動で経費を差し引きます。
事業で使用した家賃,燃料費,通信費,光熱費,交際費を使用割合に応じて按分して経費に計上することができます。(実際の税務に関してはここでは割愛します。)
サラリーマンよりも経費の幅が格段に多くなります。
損益通算
損益通算とは,事業等でマイナスが出た場合に他の所得と合算して課税所得を計算できる税制です。
全ての赤字が損益通算できるわけではありません。損益通算できる所得は4種類です。
損益通算可能な所得
✅ 不動産所得
✅ 事業所得
✅ 山林所得
✅ 譲渡所得
例えば,不動産所得で100万円の赤字が出た場合,給与所得と合算して課税所得を減らすことができます。
青色申告特別控除
個人事業主になると,毎年確定申告が必要です。申告には複式簿記で損益計算,貸借対応表のセットになる青色申告がおすすめです。
青色申告には「青色申告特別控除55万円」が認められています。
白色申告には認められません。
不動産所得で青色申告者となるには,事業的規模でなければいけません。
10室以上の所有はかなりハードルが高いですね。
太陽光発電事業であれば,低圧1基だけで事業所得と認められることが多いのでおすすめです(^^♪
この記事を通して,会社だけに縛られない多様な収入源をもつ人が増えればうれしいです。
株,不動産,節税など暮らしに役立つことが掲載されています。
事業的規模とは不動産を5棟以上,あるいは10室以上所有することです。